「そのまま」と「ひとひねり」

「過去の経験を活かす」と口で言うのは簡単ですが、実行するのはなかなか難しいものです。あなたの過去の経験が「そのまま使える場合」と「ひとひねり工夫が必要な場合」があるからです。

過去の経験がそのまま使える場合

「そのまま使える場合」というのは、これから行う仕事が「過去の仕事の繰り返し」である場合です。下記のような仕事が例として挙げられます。

・毎週行われる部門会議の議事録作成
・毎日かかってくるお客様からの電話の応対
・担当顧客10社の財務分析の続き(5社終えているので、残りの5社)
・文房具などのオフィス備品が不足した時の注文

このような場合、過去の経験の上手な活用とは「やるべき事を必ず忘れないようにする」ことです。前の仕事を終えた時には強く自覚できたことも、自分の記憶だけに頼っていると、「ああ、また○○を確認しなかった…」というように再び見落としてしまうこともあります。

逆に言うと「自分の記憶だけに頼らなくても済むような仕掛け」を作ればいいのです。詳しくは次のトピックでお伝えします。

ひとひねり工夫が必要な場合

あなたは「同じ状況で同じ成果を出す」ような仕事だけを行っているでしょうか? そうではないはずです。今はそういう仕事ばかりという人も、いずれそうではなくなります。

もうずいぶん前から「ビジネス環境の変化が激しくなった」と言われています(常に変化するものと思っているくらいのほうがいいでしょう)。全く同じ手続きで行われる仕事は次々と自動化されたり、外部委託されたりします。お客様や競合会社が変化したり、企業や組織の提供する商品やサービスも変わります。

どんな業界、職種であっても「同じ条件で、同じことを、同じようにやる機会」がどんどん少なくなっていると言えます。

あなたの仕事もそうです。ようやく慣れてきたと思った頃に、急に新しい仕事が指示されます。

・「A社だけでなく、B社の営業も担当するように」
…B社は業種も規模もA社と全く違う。どうしよう!

・「来週から、この社内プロジェクトのサブリーダーをやってほしい」
…未経験のプロジェクトでいきなりサブリーダー? どうしよう!

・「今度の新人研修から、君に講師もやってもらうよ」
…去年までは資料作りだけで良かったのに。どうしよう!

・「新しい事業部に異動してもらうことになった」
…どうしよう!

こんなとき、あなたの過去の経験は全て無駄で、役に立たないものになってしまうか? そんなことはありません。「ひとひねりの工夫」があれば、あなたの過去の経験は未知の新しい仕事にも活かすことができます。

あなたに新たな仕事を与えた人もそれを期待しています。やる前から教わっていないからできませんとか、ちょっと手をつけただけでこれは私には向いていませんなんて言ってほしくない。

「ひとひねりの工夫」についても、後のトピックで詳しく考えていきましょう。

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