きちんと段取りをつけるとは?

決められた期限までにゴールイメージを確実に実現するために、仕事を進める準備を整える。よく使われる言葉で言うと、仕事の「段取りをつける」。

ここまでのトピックでは「ゴールイメージ」についてずっと追いかけてきました。
ここから先は、ゴールイメージを実現するための「段取りのつけ方」について考えていきます。

きちんと段取りをつける、とは?

「段取り」は、もともと歌舞伎の構成や展開のことを示す言葉だったといわれています。今ではもっと広く、さまざまな分野で物事を行う順序や手順、準備のことを指す言葉として使われています。よく「準備8割(成功するかどうかの80%は準備で決まる)」と言いますが、同じ意味で「段取り八分・仕事二分」という言い方もあります。

段取りという言葉も「わかったつもり」になりやすい言葉です。もう大丈夫と思っていても、いざ個別の作業にとりかかってみると、まだまだ段取りが不十分だったというケースは頻繁に起こります。

あなたの仕事における「きちんと段取りがつけられた状態」とは、下記のことを全て終えた状態のことです。


ステップ0:下地を整える
ステップ1:仕事を分解する
ステップ2:時間を見積もる
ステップ3:スケジュールに組み入れる
ステップ4:発注者と調整・合意する


その日のうちに片付けられるような、簡単な仕事ばかりを与えられているうちは、上記のような段取りはそれほど必要ではありません(万が一この段階で苦労しているならば、段取りではなく「ゴールイメージ」を正しく理解できていない可能性があります)。

しかし、簡単な仕事だけをやっていればいい時期はすぐに終わります。次第に段取りの必要な仕事(時間のかかる仕事や、作業が多く複雑な仕事)が与えられるようになります。すると、急に納期が守れなくなったり、ミスや見落としが増えてしまう人がいます。

「ちょっと面倒な仕事になっただけで、ガクンと効率が落ちてしまう…」そのような人は、上記のステップのうちステップ0~2がおろそかになっている可能性があります。

そして、仕事は次々に降ってきます。「この仕事を終えるまで、次の仕事が待ってくれる」というのは無理な話。たいていの場合、終わらないうちに次の指示が来たり、新しい仕事に取りかかってまもなく別の仕事の依頼が来たりします。

1つ1つの仕事を単独であればうまくできるのに、同時並行になった途端にパニックになり、出来なくなってしまう。そのような人は、上記のステップ3~4あたりをおろそかにしている可能性があります。
各ステップの詳細は以降のトピックで、順にご紹介します。

「段取り」と「優先順位」

仕事の計画、段取り、準備といったテーマが語られるとき、「優先順位づけを明確に」と言われることが多いです。仕事の重要度や緊急度をはっきりさせて、どれから先にやるか、どれを後回しにするかを直ちに判断し、効率的に進めましょう、という具合です。

確かにそうなのですが、実際に働いている人に話を聞いていると、一番多いのは「どれも重要で緊急度が高い時はどうすればいいのでしょうか」という質問です。そうなんです。あなたに与えられる仕事は、全部重要で、しかも緊急。

「そうは言っても、もう時間が無い。どっちをやるか、どっちを諦めるかを決めないといけないんです」…実際に優先順位づけが求められるのは、そういう差し迫った場面です。ほとんどの場合、上司に相談して決めてもらうことになるでしょう。

で、基本的に段取りというのは、そういう差し迫った場面が起こらないようにするためのものです。うまく段取りがつけられれば、優先順位で悩むことはなくなります。

段取りは、いつ行えばいいか?

その仕事に取りかかるのは後であっても、段取りだけはすぐにやっておきましょう。
理由は三つあります。

一つ目の理由は「段取りをつけてみないと、実行可能かどうかがわからない」からです。仕事を分解して時間を見積り、スケジュールにあてはめてみたら、とても期限に間に合わないことがわかった、という場合があります。後になってからの「やっぱり無理です」は最も迷惑な行為です。

二つ目の理由は「早い段階で不明点を明らかにしておく」ためです。段取りをするだけでも多くの事をチェックできます。不明点は早期に解決しておくべきです。後になって解決したい時に、解決してくれる人がそばにいるとは限りません。

三つ目の理由は「次の仕事を受けられる状態にしておく」ためです。段取りがつかないうちに、次の仕事の指示を受けるかもしれません。段取りをつけておかないと、スケジュールに余裕があるかどうか正しく判断することができません。

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