ステップ1:仕事を分解する

段取りのステップ1は「仕事を分解する」です。長くて複雑な仕事を「具体的にどんな作業をどの順番で行うのか、はっきりわかる」状態にします。

なぜ分解しなくてはいけないのか?

・分解することで、実際に作業をしている時に「どこまで進んだか」「順調か、そうでないか」がつかみやすくなります。

・「合計30時間の作業X」のままでは、大きすぎてなかなかスケジュールに組み入れることができません。「2時間の作業A+3時間の作業B+2時間の作業C+…」と分解しておくと、パズルのピースのようにスケジュールの中に組み入れやすくなります。

・分解すると、作業時間の見積もりがそれぞれの作業ごとにできます。それによって、全体の作業時間の見積もりがより正確になります。

・分解することで、作業の抜け漏れを見つけやすくなります。

・分解すると「これは優先して処理しておくべき」という小さな作業が発見しやすくなります。

どのように分解していくか?

以下にポイントを列記します。

・思考のアクセルとブレーキを同時に踏まない

「やっぱりこれは要らないかな」「やっぱりこっちが先かな」というような、洗い出した作業項目1つ1つの評価や選別は後回しにしましょう。時間をかけてもなかなか洗い出しができない人は、「思いつく」ことと「評価する」ことを一緒にやってしまいます。アクセルとブレーキを同時に踏むようなものです。

・分解方法1:ゴールイメージを逆算して小分けにする

「お客様から契約を獲得した状態」を実現するためには、まず提案が必要。
提案をするにはまずお客様のご要望のヒアリングが必要。
ヒアリングをするためには、まず色々な会話ができる関係作りが必要。
このように「○○が実現するためにはまず△△の実現が必要」という形で、ゴールイメージから逆算して「小さな中間ゴールイメージ」を作っていきます。

その上で「小さな中間ゴールイメージ」ごとに作業項目を洗い出していきます。中間ゴールイメージをたくさん作るほど、作業の抜け漏れは少なくなります。

・分解方法2:作業グループを洗い出す

「新商品説明会」という仕事は、「誘致リスト作成」「案内パンフレット作成」「プレゼンター依頼」「会場手配」「配布資料作成」「営業担当者との連携」といったいろいろな作業グループから構成されています。このように、まずはグループを洗い出し、それから各グループごとに作業項目を洗い出していきます。

分解方法1と違い、そのままでは作業順序がわかりません。そこで次に各グループの関係づけを行います。「会場が決まっていなければ、案内パンフレットが作れない」というような前後関係を探し、どのグループから始めなければいけないかを明らかにします。

分解方法1と2は、どちらが優れているというものではありません。仕事の内容によって使いやすい方を選んでください。

・作業に抜け漏れがないかチェックする

まずは自分で洗い出した作業をスタートから順番に追っていき、途中で止まったり迷ったりする部分がないかチェックしてください。

加えて、特に初めて行う仕事の場合はこの段階で一度上司や先輩にチェックをお願いするとより確実です。お願いをする時には必ず前提となるゴールイメージを明確に伝えます。そうしないと、頼まれた側は何を基準にチェックすればいいのかわかりません。

また「見ていただけますか?」「ご確認お願いします」のようなあいまいなお願いでは、相手は何をすればいいのかわからずストレスが溜まります。「抜け漏れを見つけたいが、経験の少ない自分にはこれ以上見つけられない。まだ抜け漏れがあったら教えてほしい」「もっといい分類の仕方があれば教えてほしい」というように具体的なお願いをしてください。

・「待ち」が起こりそうな作業を前にずらす

作業の中には「待ち」が発生するかもしれないものがあります。「他の人への依頼事項」や「材料の注文」などが挙げられます。隣の部署に頼んでおいたデータが無いと次の自分の作業が進められない。でも、まだ送ってこない。このような「待ち」が起こりそうな作業は並べ替えて前のほうに持っていきます。

・「一括前倒し」ができる作業を探す

「関係者へのメール送信」や「上司に確認・承認を得る」といった作業は、そのつど行うよりもまとめて行ったほうが効率的です。相手の立場で考えても、一度にまとめて確認できたほうが楽です。

「Xの確認をする時に、合わせてYとZの確認も済ませてしまおう」というように、一括前倒しができる作業がないか探してみます。

・優れた分解例を学び、取り入れる

上司や先輩の作った資料、部署内のマニュアル、書籍などから「仕事の分解例」を学び、取り入れてください。自分一人の力で発明するのは難しい、優れた効果的な分解例やパターンが世の中にはたくさんあります。その通りやるだけではなく、なぜそういう分解の仕方にしているのかを考えてみてください。

たとえば、先輩の計画書を見てみたら「テスト」と「二次テスト」を明確に分けている。なぜ分けているのか。そのほうが良い理由があるからです。部署内の過去資料データをのぞいていたら、多くの提案書が「予備提案」と「概要提案」と「詳細提案」の3つに分かれていた。じゃあ自分もそうしよう、ではなくなぜ3つに分かれているのか、その理由を教えてもらいましょう

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