PDCAというけれど、具体的にはどうするの?

仕事の進め方について「基本はPDCA」とよく言われますが、具体的にいつ、何を、どうすればいいのか?PDCAの由来、よくある問題、理解や定着のポイントなどを説明します。

PDCAは「Plan・Do・Check・Action」のそれぞれの頭文字を並べた言葉です。それぞれの意味は、以下のように言われています。

Plan:計画を立てる
Do:実行する
Check:評価する
Action:改善する

「PDCAサイクル」という言い方もされます。P→D→C→Aときて、Aからまた次のPに進む。このサイクルを「クルクルと回し、継続的に改善する」ことが大切だと言われています。

PDCAは、もともと工業製品の品質管理を円滑に進めるための手法として、W・エドワーズ・デミング博士らが提唱した考え方と言われています。実は、PDCAという言葉の起源については諸説あり、専門家の間でも結論は出ていないようです。1950年にデミング博士が来日した際の講演会で紹介されたという説や、デミング博士の「設計-製造-販売-調査」というコンセプトを元に、日本における品質管理の先駆的指導者であった石川馨博士が提唱したという説もあります。

※PDCAの起源や歴史についてのWeb上で閲覧できる文献には以下のようなものがあります。
PDCAについての論点の整理(財務省財務総合政策研究所)
人間石川馨と品質管理(一般財団法人日本科学技術連盟)

その後PDCAは工場などの製造現場だけではなく、サービス業など非製造業も含めたさまざまな業務での管理手法として使われるようになりました。デミング博士自身は、後年には「PDCA」から「PDSA(Plan-Do-Study-Act)」へと発展させ、学習の重要性を強調したと言われています。

日本国内で、ビジネスパーソンの仕事の進め方、スキルアップという文脈でもPDCAという言葉が使われるようになったのは1990年代後半くらいからですが、近年になって「PDCAを社員に教えてもなかなか定着しない」と悩む企業が増えています。

最大の原因はPDCAという言葉自体にあります。この言葉が作られた当時と今とでは、仕事のやり方が大きく変化しているにも関わらず、PDCAという言葉の中に多くの意味を詰め込みすぎてしまっています。

もしあなたが企業の経営者や人事担当者や管理者だとして、「社員/部下にPDCAを教育したい」とお考えでしたら、おそらく以下のような変化を求めているのではないでしょうか。

・言われたことだけをやる、という所からもう一段レベルアップする

・自発的に小さな工夫や仮説検証を積み重ねて、業務品質を高めていく

・目先の作業や自分の役割だけにとどまらず、顧客や上司、関係者などの立場から「何をすべきか」を考えて試してみる

・1つ1つの経験から学び(気づきや教訓)をつかみ取り、着実に成長していく

これらをどのように実行するか、ポイントを伝えようとすると、「Plan」「Check」などの一言ではなかなか説明しきれません。言われた方も、目先の自分の仕事で具体的にどうすればいいかわかりません。それを無視して言葉だけを覚えさせても、

「今日中に終わる仕事でもPlanは必要なのか」
「今は忙しくてCheckする時間がない」

というような、本質から外れた所で疑問や抵抗が積み重なり、形骸化してしまう。

そのような問題意識を持っていた数社の企業と協力し、「業務品質を自力で高めていけるような、仕事の進め方や仕事からの学び方」をわかりやすく、ていねいに説明するための研究を行いました。いくつかの候補を試し、読後や研修を受講した後に仕事の現場で思い出しやすく、定着しやすい言葉や手法、関連する具体例などを集めて編集しました。

その結果作られたのが本書です。
詳しくはトップページの目次一覧から、「概論」の各トピックをご覧ください。

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