「OJT」というけれど(指導者向け 本書の使い方)

本書を部下や後輩の指導に役立てたいと考えている方向けに、使い方をまとめてみました。

OJTとは何か

部下や後輩に対して「OJT をしっかり行うように」と言われることがあります。
そもそも、OJT とは何なのでしょうか?
ある人が、

「OJT って、On the Job Training の略だというけど、ウチの会社のOJT はちょっと違うよね。(O)お前等(J)自分勝手に(T)適当にやれの略だろう」

と言っていました。
(胸を張って言うことではありません)

似たような状況にあった多くの企業や組織では「このまま現場に任せていたら大変」といって、新人や若手社員の育成に力を入れ始めました。それだけでなく教える側の体制を整備し、「OJT リーダー」や「新人指導担当者」といった役割もよく聞かれるようになりました。

だからといって OJT が「(O)惜しみなく・(J) 十分に・(T)手取り足取り」 になってしまったら、どうでしょう。

何でも教えてしまうと、おそらくその新人・若手社員は何も考えなくていいということを学習してしまいます。本来自分から「取りにいく」はずの学習も、「与えてくれるもの、黙っていても教えてもらえるもの」と思ってしまいます。

その結果、

「教わっていないので、できませんでした」
「この会社は、私をどう成長させてくれるのですか?」

という受け身で他責な発言があたりまえになってしまっては大変です。

「仕事の進め方」そのものを教える

もちろん、仕事を前に進めるためには、具体的に教えなくてはいけない事柄はたくさんあるでしょう。

しかし、あなたに期待したいことは、仕事の中身を教えることだけではなく、「仕事の進め方」そのものを指導してほしい、ということで す。

本書における「仕事の進め方」には、「仕事を進めていく中での『学び方』」や、「周囲からの支援の『引き出し方』」という意味も込められています。

本書は、仕事の進め方についてできるだけ具体的に記載しています。本書で使われている「ゴールイメージ」「一次納期」「現状と目標」「3 点セット」といった数々の言葉を使うことで、言いたいこと、指導したいことがきちんと伝えられます。

本書をうまく活用、引用する事で、あなたの部下指導・後輩指導の負荷はぐっと減らすことができるでしょう。

できるだけ早い段階で、あなたが指導する新人や若手社員が、「あなたが関与しないと学ばない」から、「自分で経験から学びを紡ぎだせる」ように。

「あなたから声をかけないと問題を解決しようとしない」から、「自分から周りに支援を求め、支援を引き出せる」ように。

進め方や学び方そのものについて早い段階から言及する事で、結果的に早く独り立ちできるようになります。「魚を代わりに釣ってあげる」のではなく「魚の釣り方」を教えてあげてください。

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