Planは2つに分けて考える

PDCAの「Plan」から考えていきます。

「プラン」という言葉は色々な所で使われています。似たような言葉で「プランニング」や「プランナー」というのも良く見かけます。プランという言葉から、計画や構想、案、アイデアといったものをイメージする人も多いでしょう。あるいはカレンダーに線を引っぱってスケジュールを組んだり、何ページにも渡って丁寧に作り込まれた企画書のようなものを想像する人もいるかもしれません。

そういった「プラン」という言葉の持つイメージから、以下のような事を感じる人もいるでしょう。

・自分の仕事は「プラン」が必要なほど大掛かりなものではない。
・いちいちプランを作るなんて大げさだ。上司に「まず動け」と言われてしまう。
・現場は何が起こるかわからない。プランを作っても、その通りにいくはずがない。

このような先入観からPDCAの「Plan」についても、大げさなもの、理想論的なもの、などと考えるかもしれません。本トピックはそういった誤った先入観を改めてもらうために用意されました。

あなたの仕事におけるPlanとは「期待される成果を実現するための準備を整える」ということです。大切なことなので繰り返します。「期待される成果」を「実現するための準備」が、Planです。

スケジュールを組んだり作業計画書を作ったりする前に、あなたは「期待される成果」を正しく理解しなければなりません。わざわざ計画書を作る必要の無い小さな仕事にも「期待される成果」はあります。

「期待される成果」の理解を誤ると、いくら立派な実行計画を作ったとしても仕事がおかしな方向に進んでしまいます。苦労して生み出した成果は何の使いものにもなりません。やり直しが可能ならまだ救われますが、少なくとも注ぎ込んだ労力、時間、コスト等が無駄になってしまいます。

仕事のやり直しが起こる最大の原因が「期待される成果」の理解不足です。どんな小さな仕事でも、確認不足は起こります。そして以下のような会話が、あなたと発注者(上司や先輩やお客様)との間で行われることになります。

「私は言われた通りにやっただけです」
「そうかもしれないけど、これは使い物にならないよ」

「どうして○○を含めて処理しなかったの?仕事の意味わかってる?」
「すみません。でも、私は○○だと思いました」

「うーん、イメージと違うな。作り直してくれる?」
「そんな事おっしゃっていなかったじゃないですか。作り直すにしても、追加で費用がかかります」
「それでは話が違うじゃないか!」

「○○を終えておくのも、君の役割だろう」
「そこまでやるなんて、聞いていません」

このように話がこじれてしまうと、「アイツは気が利かない」とか「社会人としてなっていない」というような精神論、人格攻撃になってしまうことも。そうなっては大変です。そうではなく、期待される成果を正しく理解していなかったことが原因です。「期待される成果を理解する技術」を磨けば、このような事態におちいることは十分に防げます。
一方で「期待される成果」を正しく理解していても、それが実現できなければ仕事とは言えません。

実現するためには、何から手をつければいいか。
どのように進めていくか。
途中で作業が止まってしまう可能性はあるか。
後で困らないように、今のうちに何を準備しておけばいいか。
誰と、何について話し合っておけば、スムーズに仕事が進むだろうか。

このような事全てが「実現するための準備」です。より期間が長く、より複雑(難易度が高い/関係者が多いなど)な仕事ほど、しっかりした準備が必要になるでしょう。準備を怠ってしまった時に言われることは、たとえば下記のようなものです。

「このままじゃ終わらないよ、どうするの?」
「今になってそんな事言われても、困るよ」
「どうして○○をやっていないの?」
「時間管理がなっていないんじゃないの?」
「仕事の優先順位わかってる?」
「どうして○○さんに一声かけておかないの!」
「先に○○課を通さないと。でももう間に合わないよ」

これらの台詞は、たいていの場合「そう言われても、もう手遅れです」というタイミングでしか登場しません。このようなことを言われないようにするためには、何をすればいいのか?

本書では、Planについて「期待される成果とは?」と「実現するための準備とは?」の二つに分けて解説していきます。前半では「期待される成果」を正しく理解するための手法についてお伝えします。そして後半で「実現するための準備」の仕方(段取りのつけかた)について考えていきます。

→「詳解 仕事の進め方」目次ページに戻る