ユーザーの声:株式会社IHI

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株式会社IHI 人事部 人材開発グループ 課長 日高誠一郎氏(写真右)、同グループ 高嶋 香氏(中央)、田染陽一氏(左)に「詳解 仕事の進め方」を複数階層の共通教育コンテンツとして導入された経緯や、活用方法などについて伺いました。


〔株式会社IHIについて〕
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1853年(嘉永6年)創業の総合重工業メーカー。2007年に石川島播磨重工業からIHIと社名変更。各種プラント、航空エンジン、宇宙開発など幅広い分野で事業を展開している。従業員数8,331名(単独:2014年7月1日時点)/27,562名(連結:2014年7月1日時点)


場数に頼ることが難しい今は、PDCAという単語だけでは不十分


ー 「詳解 仕事の進め方」を採用された、そもそもの経緯を教えて頂けますか?

現在IHIでは、グループ力の向上に向けて人材育成体系の整備を進めています。具体的には、国内約50社のグループ会社での育成メニューの共通化や、人材開発・交流のための自社施設の開設といった数々のプロジェクトが進行しています。

それらの施策の1つに「共通育成テーマの設定」があります。これは従来まで分断されがちだった階層別教育を見直し、新人から上級マネージャーまで縦串で同じテーマの教育を行うというものです。もちろん各階層でレベル感の高低はありますが、同じテーマ・コンセプトを扱うことで、上下間の認識のすり合わせや共通言語化を図り、現場での実践を促すというねらいがありました。

アンケート調査やヒアリング等を経て共通テーマは5つ設定されました。
その中の1つが「PDCA」です。

「ウチはDoばかりでCheckもActionも無い」というような話は昔からよくありましたが、それでも好景気の時代はとにかく場数で成長するということが可能でした。しかし近年はどの事業分野でも案件の数は絞り込まれ、品質や採算がシビアに問われます。場数だけに頼ることは難しく、1つ1つの仕事から得られる学び・知見といったものを最大化して次の仕事につなげるというような「着実に腕を磨いていく」行為が各々に求められるようになりました。

ー 「詳解 仕事の進め方」をどのように知ったのでしょうか?

実は、上述の5つの共通育成テーマの中で特に困っていたのがPDCAでした。PDCAをテーマにすることは決まったものの、さて何をどのように伝えればいいのか(笑)。PDCAは折に触れて様々な研修で言及してきましたが、逆に言うと「PDCAという単語」以上のことはあまり言ってこなかったというのが現状でした。

なかなか希望通りのコンテンツが見つからない中で、長年当社のマネジメント教育を依頼している外部講師の方に紹介していただいたのが「詳解 仕事の進め方」でした。

早速取り寄せ、人材開発グループのメンバー数名で読んでみました。これはIHIにぴったりだと思いました。PDCAについて具体的にわかりやすく説明されていますし、特にPlanが「ゴール設定」と「段取り」に分かれているところ(この2つを混同してつまづく社員がけっこう多いのです)と、変なクセがない(マネジメント教育等と整合性がとりやすい)ところが気に入りました。

新人からマネージャーまで各階層に役立てるコンテンツだと判断し、コーポレートライセンスで購入しました。その後、このコンテンツを活かした研修の企画を進めました。ただ配って読ませるだけではなく、階層別研修とうまく連携させた形で活用したいと考えました。

外部の力も借りながら、まず若手からリーダークラスまでの3階層の研修を立ち上げました。

研修を実施して、色々と驚いた


ー 「詳解 仕事の進め方」を活用した研修について教えてください。

すでに実施された研修の概要は以下のとおりです。

〔対象者〕3年目、中堅(7〜9年目)、リーダー職(13〜15年目)の3階層
〔日数〕1〜1.5日間
〔受講人数〕3階層合わせて約600名
〔研修企画/コーディネート〕日本心理技術センター
〔研修設計/教材開発/実施支援〕オフィスロークワット

研修の構造は2つのパターンに分かれています。

リーダー職と中堅社員向けの研修は「事前読み込み形式」です。事前にA5サイズに製本した「詳解 仕事の進め方」を配布し読んできてもらいます。その上で理解したことを実践、練習する場として研修を位置づけました。
「なるほど、こうやって使えばいいんだな」と現場での実践準備が整った状態が、研修のゴールです。

一方、3年目社員研修では事前配布をしておりません。
演習やロールプレイを通じてPDCAの実践についての自身の現状を自覚し、最後に「詳解 仕事の進め方」の冊子をプレゼントするという形式です。
「困った時にはこれを読み直せば、自力で解決できることが増えそうだ」と思ってもらうことが研修のゴールです。

ー 研修を実施した結果はいかがでしたか?

色々と驚いたことがありました。順番に説明します。

まず中堅とリーダー向けの研修ですが、当初は事前にどのくらい読んでもらえるか不安でした。研修の事前課題というものは、たいてい面倒で嫌がられるものです。

ところが研修が始まった時に各受講者の机に置かれていたのは、たくさんの付箋が貼られている「詳解 仕事の進め方」でした。蛍光ペンで線を引いたり、書き込みをしたりしている受講者も少なくありませんでした。そのような状態ですから、最初のセッションでの「読んで気づいたことの共有」が、いきなり盛り上がっていました。読んでみて思い当たる節が自分や部下にあったのでしょう、そのまま放っておいたら1時間くらい話し続けるのではと思うほどでした。

skss_sassiimgA5サイズの「冊子版・詳解 仕事の進め方」は、大きさがちょうどいいと受講者から好評でした

読むだけではなく練習するという企画側の意図もうまく機能しました。「3点セット」や「マイセオリー」の手法を使って実際の経験やノウハウの共有を行ったのですが、「他のグループのアウトプットも全て読みたい」「このような形でノウハウを共有する仕組みが会社に必要なのでは?」という希望や意見がたくさん寄せられました。

また、研修後の懇親会では「詳解 仕事の進め方」について多くの受講者が感想を話してくれました。「これは後輩指導とかで困った時に何度も読み返すべきものだ」とか「PDCAなんて今更と思っていたけれど、面白かった。ここまで突っ込んた内容だと仕事でも絶対役に立つ」と言ってくれたのを覚えています。中には、わざわざ他人の感想を教えに来た受講者もいました。

ー 他人の感想、と言いますと?

ある受講者がこんなふうに話してくれたのです。

「あの本、もちろん僕も勉強になりましたけど、同じグループにいた人が絶賛してましたよ。ええと確か(表情を変えて)・・『俺さ、バリバリ理系だからさ、最初これが配られた時、あーこういう自己啓発的なの嫌いなんだよなーと思いながら読み始めたんだよね。そしたら、ほうほう、そうそう、あるある、なるほどって、あっという間読んじゃったよ。こりゃいいね、使える!』・・こんな感じでしたよ。すごく喜んでいたので、お伝えしようと思いまして」

嬉しかったですね。研修に関連した読み物で、これほど受講者から喜ばれるケースは今まで滅多にありませんでした。

ー 3年目研修のほうはいかがでしたか?

こちらはまた別の驚きがありました。3年目研修はリーダー職や中堅の研修の数ヶ月後に実施したのですが、すでに「ゴールイメージ」などの言葉が現場で使われているという受講者がちらほらいたのです。リーダー/中堅の研修を受講した先輩が近くにいて、実践しているということです。現場での実践をさらに促すために今後どうしていこうかと考えていた矢先でしたので、手応えを感じました。

まだ配ってもいないのに「詳解 仕事の進め方」の冊子をすでに持っている受講者もいました。話を聞くと、すでに研修を受講した先輩から「これ役に立つから読んでおけ」と言われて貸してもらったとのことでした。

ー 最後に、今後の展開について教えてください。

最初に立ち上げた3階層の研修は、ねらい通りに実施できたと考えています。今後も継続していきながら、現場でのノウハウ共有や定着のための仕掛けづくりについても考えていきたいと思っています。

また今回の3階層の研修の継続に加えて、それより上のマネジメント層の研修でも「詳解 仕事の進め方」を活かす形での研修を企画しています。現在、外部の研修会社やコンサルティング会社にこの冊子を見せ、「このコンテンツが各階層の共通言語になるので、この内容を踏まえた上で研修の提案をしてほしい」と依頼しています。来年には、マネジメント層の研修もスタートする予定です。

ー お忙しい中、ありがとうございました。


株式会社IHIのホームページ
取材日時:2014年12月(文中の組織・数値等は全て取材時時点のものです)


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